渡辺恒雄回顧録
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文句なく面白い! |
球界のジャイアン、渡辺恒雄氏のことを知りたいのなら、まずこの本がうってつけであろう。
彼のひととなり、政治フィクサー的な側面もフィーチャーされており、興味深い。
より彼のことを知りたいのなら、『ナベツネだもの〜渡辺恒雄脳内解析』もおすすめする。
こちらはよりカジュアルなナベツネ分析本であるが、分類王を名乗る著者の分析態度は真摯でストイック。
ナベツネの発言をもとに、彼の本質を的確にとらえている。
球界のヒール、老害などとも言われているが、現代のキーパーソンであることは間違いないナベツネ。
今後の動向も気になるところである。
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「ナベツネ」ではなく渡辺恒雄を |
これは、「ナベツネ」に関する本ではない。日本政治史外伝、あるいは一つの証言史料である。高名な政治学者がインタビュアーをつとめていることがその証拠でもある。
読みどころはやはり1950〜60年代、渡邉が第一線の記者として政界を取材し、そればかりではなく政治家の間を取り持ち、政治家に意見し、あるいは政治の重要な局面を「目撃」していくところだろう。今のジャーナリストという言葉からは考えられないほどに彼は政治家個人に取り入っている。巨額の金が乱舞する様が淡々と語られる。そのことに渡邉が批判精神を持っていないわけではない。それらを目にする中で、彼のジャーナリズムに対する考え方、国政に関する考え方が養われていったのである。リクルート事件に社会が拘泥するあまり国政が疎かになり、しかし「リクルート事件は些細な事件だから、それより政治をちゃんとやれ」とは書けない新聞の限界を語るとき、彼の知性が感じられる。
「ナベツネ」の情報を求める人にはこの本は失望を与えるだろうが、渡邉恒雄本人を知るためにはいい本である。また、日本戦後政治史のあらましをつかむのにも役に立つだろう。もちろん正史としてではなく外伝としてであるが。


